電動カートの製造販売を手掛ける「クリーン・フューエル・エナジー・エンタープライズ」（本社＝Lam Luk Ka, Pathum Thani）が7月23日、開発中の太陽エネルギーで動く「The Hercules's Boat（ヘラクレス・ボート）」のプロトタイプをパクレット郡ニッチャダーターニーの湖で公開した。

　同船は「ヘラクレス」と呼ばれるモーター3個と4枚のソーラーパネルを搭載し、タイのエンジニアが設計したアルミ製の5トン船。大きさは、全長6メートル、幅2.6メートル。船体の重量は1974キロ。乗船定員は20人。製造コストは40万バーツという。

　3個のモーターのうち左右のモーターはソーラーエネルギーで駆動する。中央のモーターは家庭用電源で充電でき、充電にかかるコストは1日16バーツ（約50円）程度。通常は左右のモーターだけを使用し時速は4.3ノット（約8キロ）ほど。全モーター（10馬力相当）を使ったフル出力では13ノット（約24キロ）のスピードが出せるという。

　同社社長のマラコット空軍中将は「チャオプラヤー川を通行する船が毎日多くの重油や軽油を消費し、二酸化炭素を排出しているのを見てソーラー船の開発を思いついた。もしこれらの船を太陽エネルギーで動かすことができれば、環境への負荷が減るだけでなく、年間5億6000万バーツほどの燃料代節約が見込める。実用化に向け開発を続けたい」と意気込む。