自転車で世界旅行11年-中西大輔さん、バンコクで体験談語る

パンクした回数が300回に上るという愛車「ダイスケ号」と日焼けした肌の中西大輔さん。

パンクした回数が300回に上るという愛車「ダイスケ号」と日焼けした肌の中西大輔さん。

  • 0

  •  

 王宮に程近いチャオプラヤ川を望むホテル「ニュー・サイアム・リバーサイド」(Phra Athit Road)で7月8日、自転車で世界中を巡る旅を11年間続けている兵庫県出身の中西大輔さん(39)の体験談を聞く会「私の自転車地球体験127カ国14万キロメートル」が開かれた。

[広告]

 会は、中西さんがバンコクに立ち寄ったのを機に開かれたもので、「中西氏による『冒険と友好』の会」実行委員会が企画。バンコク在住の邦人やタイの友人らが集まり貴重な体験談を聞いた。会場には2年前に帰国するまで約6年間、夫婦で自転車の世界旅行をしたというタイ人、ワンさんとムーさんも駆け付け友好を深めた。

 学生時代はサイクリング部に所属していたという中西さんは、卒業までの5年間にアメリカ、ヨーロッパなど20カ国を走破。ツーリングの魅力を覚えた。その後いったんは就職したものの、自転車で世界旅行に出たいという夢を実現するために退職。それまでの6年間で貯めた約500万円を資金に夢の旅に出発した。

 自転車は約18キログラムとやや重たいが、頑丈で修理しやすい鉄製を選んだ。地球3週分に相当するこれまでの14万8,000キロメートルでタイヤは79本、サドルは4回、ペダルも5回交換したという。

 「当初は3年間の予定だったが、行く先々で長居してしまった。見知らぬ土地や人と出会ううち、好奇心が膨らんだ。11年と長い間旅を続けたが、まだ旅を続けていたいというのが本心」という中西さん。今後、ラオス、ベトナム、中国、韓国とペダルを踏み続け、10月に開催される「日本アドベンチャーサイクリストクラブ」設立30周年のイベントを機に帰国することを決意した。

 中西さんは「マラリアにも2度かかったが、無事ここまで来られた。多くの出会いがあった。涙で見送ってくれた友人との別れもあった。旅をしてみて地球は意外と小さいのではないかと感じた」と振り返る。これまで最も勇気が必要だったのは「会社に辞表を出した時」とちゃめっ気も。「両親には心配をかけてしまった。帰国後は親孝行したい。これからしたいことは次の夢を探すこと」とも。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース