バンコクの刑務所で「塀の中のW杯」-優勝はイタリア

決戦前のイタリアとアメリカの選手たち。

決戦前のイタリアとアメリカの選手たち。

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 クロンプレム中央刑務所(バンコク)で7月10日、ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会とほぼ同じ日程で開かれていた「塀の中のW杯(World Cup 2010 Behind Bars)」の決勝戦が行われ、イタリアがアメリカを2-0で下し初優勝を飾った。法務省矯正局とタイ国フットボール協会による共催。

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 W杯の年に開かれる同大会は、今回で3回目。タイの外国人受刑者は約1万人に上り、国籍は90カ国を超える。参加したのは南アフリカ大会と同じ出場国から19チームが参加。模範囚の中から希望者を募り各国代表チームを編成した。前半・後半各20分のオリジナルルールで行われ、1チーム7人。選手の数がそろわないチームには、タイの受刑者が加わり試合に臨んだ。

 試合は、イタリア人選手2人以外はサッカー経験が豊富なタイ人が参加したイタリアチームが終始試合をリード。軽快な生バンドの演奏と陽気な受刑者らの声援の下、前半開始10分と後半開始10分にイタリアが2ゴールを決めた。控え選手も含め全員アメリカ国籍の選手をそろえたアメリカチームと熱戦が繰り広げ、盛り上がりをみせた。

 ハーフタイムには薬物の違法所持などでバンケーンの刑務所に服役中のタイのシンガー、Power Patさんが代表的な2曲を披露。「10年前のデビューアルバムの曲を歌います」と感慨深げにあいさつすると、大勢の観衆を前にアコースティックギターでしっとりと歌い上げた。

 当局PR担当のウィポーンパック・ラープマークさんは「この大会は、受刑者の健康維持と精神の鍛錬、規律やチームワークを学ぶ、社会復帰のためのプログラムの一環として企画した。開催にあたりコーチを派遣してくれたタイ国スポーツ省や協賛企業に感謝している」と話す。

 日本代表チームは日本人1人を含むタイ人との混成で出場。トーナメント1回戦で、4-1でスペインに大敗を喫した。

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