ブログやツイッター、フェイスブックなどで現在、タイに登場予定のエスカレーターの立ち位置を示すマナー標識「Stand on the Right」について、タイ人の間で話題を集めている。
エスカレーターでは追い抜く人は左側を歩き、立つ人は右側に寄って乗ることを呼びかける同標識。昨年10月にフェイスブックで始まったマナー向上のための啓発活動で、仕掛け人はツイッターで多数のフォロワーを持つタイの著名人5人。「タイをより良い社会に」をコンセプトに、これまでタイで行われてこなかったエスカレーターでのマナーキャンペーンを展開する。
香港やロンドン、ニューヨークでは右側に、シンガポール、東京、オーストラリア、ニュージーランドでは左側に立つなど立ち位置の違いはあるものの、各国や都市でエスカレーターのマナーの習慣が存在する。ところがこれまでタイでは決まりがなく無秩序だったとして、多くのタイ人がこの活動を支持する。地震や津波で被災した日本人の整然とした姿勢も見習おうという声も上がっている。
地下鉄やスカイトレイン、空港、百貨店などもこの活動に賛同。現在、標識の設置完了は一部にすぎないが、間もなくあちこちのエスカレーター付近に同標識がお目見えする予定だという。3月27日には都内屈指の複合商業施設セントラルワールドで、招待客をエキストラに分かりやすくマナーを解説したビデオ撮影も行った。
写真家で同プロジェクトでは総合コーディネーターを務めるカンティポンさんは「このキャンペーンでは多くのことは望まない。少しずつでもタイ社会に良い変化が生まれることを期待しているだけ」と話す。