津波で被災した経験を持つプーケットの島民から、東日本大震災で被災した日本人に宛てた応援メッセージビデオ「Dear Japan, from Phuket」が現在、ユーチューブで配信されている。
ビデオはバンコク出身のフィルムディレクター・ローさんと日本人を含む有志団体「Dear Japan Project」が作成したもの。ローさんらは3月11日の地震発生直後、仕事で訪れていたプーケットで、2004年12月にスマトラ島沖地震による津波で被災した多くの島民から励ましの言葉を受け、「彼らのメッセージを日本に届けたい」と同団体を結成し、作品制作に取りかかった。
「大きな津波という同じ被害を受けたプーケットの皆さんの姿やメッセージが、日本の被災者の大きな希望になるのでは」という思いから、3月下旬には日本語と英語の字幕付きで2バージョンをユーチューブにアップしたという。
作品の中では、果物売りや食堂の女性、バイクタクシーの運転手らが「日本人がプーケットみたいに元気に戻れることを願っている」「日本の皆さんにも必ず幸せが戻ってくる」「日本もがんばれ」と力を込めてエールを送るほか、「日本人よ、俺たちを見てくれ」と笑顔を見せる漁民の姿も見られる。
コメント欄には日本の視聴者から「温かい励ましに、涙がこぼれてしまった」「私たちも必ず笑顔を取り戻せるように頑張らなければ」などの言葉が寄せられている。
インド洋大津波では、インド洋沿岸11カ国が被災。死者・行方不明者は22万人以上、被災者200万人以上という未曽有の大災害となった。当時プーケットには日本から国際緊急援助隊、多数のボランティアが駆け付けたほか、救援物資や義援金が送られた。