タイの大衆魚「プラーニン」、皮をなめしてバッグや財布に

「Jerada」の製品

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 ティラピアの名で知られるタイの大衆魚「プラーニン」の皮を使い、独特の風合いや素材感を生かした財布やバッグなどの製品が現在、雑誌やウェブのメディアに取り上げられタイの女性の間で注目を集めている。

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 昨年から「Jerada(ジーラダー)」のブランドで約100アイテムの製品を販売する「ジーラダー・レザー・アンド・プロダクツ」は、もともとシーフードの冷凍食品の中堅製造メーカー「シャンニン・シーフード」の一事業部として発足。製造過程で出る廃棄物の再利用と、新たな収益源の創出を目指すことがアイデアにつながったという。

 同事業へのこれまでの投資額は1,000万バーツ超。試行錯誤の後、完成したティラピアの皮は、2003年からカラフルなラインアップで「Tawin」「JASPAL」などに靴やバッグの素材として供給できるほどに成長した。

 自社ブランドを立ち上げて早々の昨年、セントラルワールド内の百貨店「ZEN」に構えたショールームは、いわゆるバンコク騒乱の被害で焼失し、現在はペッブリー県の工場に併設するショールーム1カ所のみとなっているが、「ZEN」の再建に合わせてバンコク店の営業再開を予定する。

 メーンターゲットは25~50歳の女性としているが、男性用の商品も多数用意。99バーツのキーリングから100万バーツを超えるソファまで、幅広い品ぞろえが特徴で、男女共に財布(1,500~2,500バーツ)の人気が高いという。現在は海外でもパテントを取得し、欧米や日本にも輸出を行っている。  

 「プラーニン」は1965年、タイ王室から「国民のタンパク質不足問題」の相談を受けていた魚類学者の天皇陛下(当時の皇太子明仁親王殿下)が問題解決の一助にと養殖の容易なティラピア50匹を寄贈。タイの国王陛下は、殿下の名「明仁」の「仁」の音読みを採り「プラー・ニン」と命名したという歴史がある。現在は全土で繁殖し、タイ人にとってポピュラーな魚として普及している。

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