チェンライ産アラビカコーヒーの製造販売会社「ORIENTAL FA'S」(チェンライ、TEL 053-767-625)は3月、在留邦人向けに自家焙煎(ばいせん)の「チェンライの森のコーヒー」販売を開始した。焙煎仕立て、ひき立てのコーヒーが帰国の際のギフト需要で駐在員を中心に人気が高まっている。
タイ最北端の山岳地帯は、北東にラオス、北西にミャンマーが接する「ゴールデントライアングル」と呼ばれる地域。かつては貧しさからケシの栽培が行われていたが、その後王室の基金からの支援を受け、ケシ栽培に代わる収入源として約10年前から本格的にコーヒーの栽培が始まった。
「ダークなイメージとは裏腹に本当は穏やか。のどかな山々や美しい田園風景など、チェンライの豊かな自然に魅せられ移住を決意した」という今中健太郎さん(32)は、約5年間のバンコク駐在員生活を経て、昨年同社を設立。もともとコーヒー好きだったこともあり、こだわりを仕事として生かす道を選んだ。
アカ族は精霊信仰を守り、山や木、風との共生を大切にする山岳民族で、木を伐採したり開拓することなく森の自然そのままにコーヒーの木を育て、農薬や化学物質は一切使わない。
価格は、250グラム=260バーツ、500グラム=480バーツ、750グラム=660バーツ、1キログラム=800バーツ。チェンライシルク製の巾着袋に入れたギフトセットは、100グラム=200バーツ、250グラム=350バーツ、1キログラム=1,000バーツ。
焙煎はライト、ミディアム、ダークなど好みで選べるほか、豆のひき具合も希望に応じる。メールやファクスで注文を受け付け、タイ国内は無料で発送する。
今中さんは「味の特長は『あっさり、さわやか、まろやか』。生産地は標高が1,300メートルで、適度な寒暖の差がおいしいアラビカコーヒーの生産につながっている」と話す。「村人に生産管理や付加価値の高い商品開発などでアドバイスしている。飲んだ人に『おいしい』と喜ばれ、村人の利益にもなり、自分の利益にもなることがうれしい」とも。