元5つ星ホテルのシェフが昨年初頭から始めたタイ＆イタリアンの屋台「ラーン・クック・チョム（料理人チョムの店という意味）」（チャオプラヤ・エクスプレスボート「テ・ヴェ・ト船着場（N15）」、TEL 085-904-6936）の評判が口コミで広がり、タイの幅広い年代から人気を集めている。

　屋台を切り盛りするチョム・カップカポックさん（56）は、数々の有名ホテルのレストランで35年のキャリアを積んだベテラン。日本を始め海外での勤務経験も豊富な本物の料理人として地元で知られている。

　7年前にホテルを辞めた後に始めた愛車のベンツに乗って移動する屋台は、マスコミにも取り上げられ「ベンツ屋台」として話題に。ベンツのトランクを開け、そこに自慢の料理を並べて売る姿は、日本のテレビ番組にも取り上げられたこともあるが、1年4カ月前から同地で常設の屋台を開くようになった。

　同店では本格的なレストランの味が気軽な価格で楽しめるとあり、連日行列ができるほどの盛況に。「週末には150人以上の来客がある」という。材料や調味料の仕入れはホテル勤務時代のコネクションを大いに利用し、本格的な味を支えている。

　人気のメニューは「Pan-Fried Spagetti with Shrimp」「Cabonara」「Baked Oyster with Cream Sauce」「Baked Scallop with Cream Sauce」「Grilled Chicken with goose liver Sauce」「Pan -Fried Spagetti with Shrimp」「Spain Omelet」など。どれも30～90バーツとリーズナブルな価格で提供する。

　背の高いシェフの帽子をかぶり白い制服姿に身を包んだチョムさんは「赤字を心配する客もいるが大丈夫。もうけはあまりないが、多くの人においしいと喜んでもらえることが自分の仕事」ときっぱり。「実は店員は弟子たち。料理を授業料無しで教える代わりに店を給料無しで手伝ってもらっている。通学のためのバス代をちゃんと払って」と笑いながら安く料理を提供できる秘密を語ってくれた。

　営業時間は10時～19時。バンコク市の屋台に関する条例により月曜定休。