セントラルワールドのバンコク伊勢丹(BTSチッドロム駅前)5階催事場で12月3日、日本全国から多数の味自慢が集結する物産展「日本全国味の縦断フェア(JAPAN FOOD FAIR)」が始まった。
毎年恒例の同フェアには、北海道、岩手、石川、静岡、広島、福岡、大分、宮崎の8道県が参加。今回は各道県のグルメや農産品の海外への売り込みを民間だけでなく各地域の行政機関が後押しする形で実現したのが特徴で、「日本の良質な食品を海外の人にもっと知ってもらいたい」という気運の高まりを示すイベントになった。
同フロアには、日本のデパ地下にあたる「The Souzai by Isetan」と題したデリカテッセンコーナーや日本の銘菓を販売するコーナーも設けられており、連日バンコクのハイソなタイ人らでにぎわいをみせる。物産展時には「イベント目当ての客も増える」という。
会場内では、調理したてを試食できるコーナーや、その場で食事ができるテーブル席も設ける。各ブースでは日本からの参加者と地元のタイスタッフが共に威勢良い声を上げ、商品をアピールする。
岩手県から参加した大船渡冷凍水産加工協同組合は、新鮮で脂がのった「焼きさんま」(2尾80バーツ)を焼きながら販売する。大分県椎茸農業組合の「豊後きのこカレー(レトルト)」(1パック210バーツ)や数々の受賞歴がありステーキでも楽しめる肉厚のしいたけ「どんこ」(100グラム2,700バーツ)も販売。宮崎県富士製菓は今回、和菓子の生版といえる白あん・餅を使ったきれいな装飾の「上生菓子」(より取り6点210バーツ)をタイで初めて紹介。多くの品がタイでは、同フェアでしか手に入らない商品となっている。
大分県商業・サービス振興課副主幹の平川暢教さんは「特産の乾しシイタケの『天白どんこ』は毎回好評。高価な商品だが、値段も聞かずに買っていくタイの方がいることには驚く。試食すると多くの方が買っていってくれる」と話す。
バンコク伊勢丹のセールスプランニング部マネジャーの吉田裕之さんは「今までも行政の支援は個別にはあったが、これだけの数が一堂に集まったのは初めて。日本からバンコクに売り込む一つの流れができてきている」と手応えを話す。「物産展に出店する常連もでき、大きな成果を上げて帰る業者が多い。タイのお客さんも物産展を楽しみにしている様子」とも。
開催時間10時~21時(最終日は20時まで)。今月13日まで。