バンコク経済新聞の今年上半期のPV（ページビュー）ランキングには、ようやく正式開業が8月23日に決まったタイ国鉄（SRT）空港線の無料試運転の実施予定を取り上げた「バンコク市内と空港を結ぶ『エアポートリンク』、無料試運転開始」が1位に輝いた。ランキングは今年1月1日から6月30日までに配信したヘッドラインニュースのPVを集計したもの。

　タイでは公共事業であってもスケジュール通りに進まないことが日常的で、「エアポートリンク」も実際に無料試運転が開始できたのは6月1日だった。この延期はタクシン元首相派勢力「反独裁民主戦線（UDD）」による過激なデモ集会による影響を受けてのもの。

　バンコクでは多くの商業施設が臨時休業に追い込まれたほか、市内イベントの多くが延期か中止になった。海外からタイへの渡航を見合わせた観光客も続出し、観光関連でも大きな営業的な被害が出た。UDDの活動によるさまざまな影響が出る一方、日系飲食店も続々と進出し、明るい話題も多くあった。

上位10位のランキングは以下の通り。（カッコ内は掲載日）

1. バンコク市内と空港を結ぶ「エアポートリンク」、無料試運転開始（4/29）
2. バンコクに牛丼専門店「牛野家」－「日本街」内に3店舗目（3/1）3. タイのミスタードーナツがすし型新商品「スシド」－期間限定販売（4/2）4. バンコクに元祖つけ麺「山岸」－「K-ビレッジ」内に海外1号店（4/8）5. バンコクのブティックホテル、エグゼクティブシェフに31歳日本人抜てき（5/8）6. バンコクで「日本かわいいフェア」開催へ－「かわいい」文化発信（2/11）
7. バンコクに日本式ベーカリー－スクムビット26「日本街」に3店舗目（1/19）8. 焼きとん・焼き鳥の「なぎ屋」が海外進出－バンコク日本街に1号店（3/1）9. タイが舞台の映画「サヨナライツカ」公開迫る－在留日本人の間でも話題に（1/18）10. バンコクのサービスアパートに日本人経営の「ダイニング&バー」新店（3/18）
　ランキング中5件が飲食店のオープンを取り上げた記事だったが、ランク外ながらも、そば・うどんの「家族亭」のオープン（11位）、「リンガーハット」がタイ1号店（13位）、姫路名物どろ焼「喃風」がバンコク進出（14位）と、飲食関連の記事が読者の関心を集めた。

　3位にランキングされた「タイのミスタードーナツがすし型新商品『スシド』－期間限定販売」や、しくも12位だった「タイのモスバーガーがご当地メニュー－『トムヤム・ポークバーガー』発表」など、日本企業が得意とする「消費喚起キャンペーン」の記事もバンコク関連のブログで話題を集めた。